「我々の中に、宇宙が存在するのか?」
does the universe exist in our body?
共同開催:ラディウム - レントゲンヴェルケ/gallery COEXIST-TOKYO (東京)
沖縄科学技術大学院大学(OIST)の神経科学研究ユニット協力のもと、2013
年よりHermina
Nedelescu.PhD(ヘルミナ・ネデレスク)氏と協同で、電子顕微鏡で得られた実験用マウスの脳内データを撮影。 闇の中に浮かぶ極彩色の神経細胞を見て、彼はこれを宇宙空間で起こった神秘現象のようだと考えた。 「宇宙の誕生無しには我々は存在しない、つまり我々は宇宙の一部である。だからその我々の中に宇宙が存在してもおかしくない。」そう語る吉岡は、無数の神経細胞が星のように煌めく体内の小宇宙を、レンズを通じて映し出す。 以前より、高エネルギー物理学研究所 ( 加速器施設 ) を各国で撮影してきた彼は、なぜ宇宙が誕生したのかという疑問に対し、必死で解き明かそうとする研究施設があることに希望を感じたという。同時に、この研究は生命誕生の謎に迫るものでもある。 吉岡の作品は、ただ科学技術の発達を賛美するものでもなく、またマシンそのものの美しさを誇示するものでもない。「何故、我々は存在するのか?」という人類普遍ともいえるテーマにに立ち向かい、現れた美を写真家の視点で切り取るのだ。 本展では、Hermina Nedelescu.PhD氏の協力のもと撮影することの出来た脳神経の写真や映像の新作、さらに世界各国の加速器施設を撮影したこれまでの作品をご紹介する。あらゆる学問・文化はこの究極の謎へのアプローチに他ならないし、加速器による研究も、脳の神経細胞に関する研究も、そして目の前の世界に美を見出し写真におさめる行為もまた、人類の存在意義を問うための営みの一環となるだろう。 |